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認知行動療法とは

 

精神科の治療では薬を使った治療が一般的ですが、「認知行動療法」という心理療法をご存知でしょうか?

認知行動療法の「認知」とは、ものの見方や考え方という意味です。

 

病気やストレスの原因になっている認知や行動の悪循環を見直し、

 

悪循環を良い循環に変えることでストレス対処能力を高める治療方法です。

 

 

 

 

認知の歪みの代表的なもの

1.白黒思考(オール・オア・ナッシング)

すべての物事を白か黒かではっきりさせなければ気が済まない。

ちょっとしたミスや,失敗があると全部がダメと考えてしまう。

ものごとや人に、完璧ということはないですよね。

100%いい人もいなければ100%悪い人もいません。

いいところもあるし、悪いところもあるのが普通です。

ですが白か黒かはっきりさせたいという完璧主義的な思考が強いと、ちょっとした発言や行動で相手のことをいい人か悪い人かを判断したりすることになります。

 

2.過剰な一般化

たった一度や二度起こったことでも、それがいつもどんなシチュエーションにおいても起こるかのように認識してしまうこと。

(例)一度強く先輩から叱責されただけなのに、この人はいつも自分を叱る人だと感じてしまう。

「いつも」「絶対」「すべて」「常に」「決して」「全く」という言葉をよく使う人にみられます。

 

3.ポジティブ要素の否定(マイナス化思考)

いいことがあってもいいと思えなかったり、すべて悪い方へ考えてしまう。

テストで90点取ったとしても、ポジティブ思考であれば「高得点」に感じます。

ただ、マイナス思考だと「なんであと10点とれなかったんだろう」と自分を責めたり、「90点なんて誰でもとれる」と思い自分を認めなかったりします。

 

 

4.結論への飛躍

根拠もなく

①誰にもわからないような将来を決めつけてしまったり、

②人のちょっとした言動でそのひとの考えていることを決めてつけてしまったりする。

例として10年後のことを考えるとき、10年の間で何が起こるかわからないため、曖昧な推論でしか語ることができないはずですが、「私の将来は孤独だ」「私は幸せになれるはずない」と決めつけてしまう傾向にあります。

相手のちょっとした発言で「きっと嫌われているにちがいない」、「私のことを悪く言っているにちがいない」と決めつけてしまう傾向があります。

相手の気持ちはその本人にしかわかりません。

別のことで機嫌が悪かったのかもしれないし、疲れているだけかもしれません。

それを勝手に決め付けることで、一人で空回りしたり、相手に対して気まずい反応をしてしまい、関係性を悪化させる傾向があります。

 

5.フィルタリング

良いことをシャットアウトし、悪いことばかりみてしまう。

人生は良いことも悪いことも両方起こりますが、こうしたフィルターがかかってしまていると、実際に良いことが起こっていても悪い部分しか見えません。

そのため、全体を通して「悪いものだった」と評価してしまう。

(例)友人と旅行を満喫していたはずなのに、「ホテルのひとに嫌な対応をされて最悪な旅行だった」。

 

6.感情に基づいた判断(感情的決めつけ)

自分の感情を根拠に物事を決めつけてしまう。

(例)「あの人と話しているとき悲しい気持ちになったので、私のことが嫌いなんだ」

「映画がとても退屈だったからこの作品を面白いというひとは嘘つきだ」

というふうに、「自分がそう感じるならばそのことが事実でなければならない」という考え方をします。

 

7.過剰な拡大解釈、縮小解釈

少し良くないことが起こると、連想できる最悪の事態まで結びつけたり、大げさに物事を捉えたりすること。

逆に良かったことに関しては、大したことがないと感じてしまいます。

そうした自分の普段の認識と比べてしまうため、他人を評価する場合は良いところが大きくみえて、欠点や失敗は小さくみえます。

自分がちょっと仕事でミスをしたら、「自分はなんてダメなんだ」と必要以上に落ち込んだりしますが、良い成績を残したときは「これくらいのことは全員ができる」と過小評価します。

また他人がミスをして落ち込んでいるときは、「これくらいよくあることなのに」と思ったり、良い結果を残したりすると強く羨望したりします。

 

8.ラベリング、レッテル貼り

たった一度起きたことや、一部の性質によって、自分や他人にネガティブなレッテルを貼ってしまうこと。

「過剰な一般化」が極端に行き過ぎている状態ともいいます。

たった一度のミスで「私はダメな人間だからもうなにも挑戦できない」と考えたり、「あの人は恋人を泣かせてしまって、冷徹なひとに違いない」とレッテルを貼ったりします。

 

9.個人化と非難(自己関連付け)

自分に一見関係のないことであっても、自分の責任に結びつけること。

(例)「家族の仲があまり良くないのは、私がもっと楽しいことを言わなかったからだ」

「あの人が悲しい顔をしていたのは私が発言したことに傷ついたからだ」

といったように、本当は自分に責任がないのに自分のせいにしてしまいます。

 

10.すべき化

ものごとや出来事に対して、「〜すべき」「〜であるべきだ」というような理想像が必ず存在しているかのように考えること。

自分のなかでルールやベストな方法をつくってしまっているので、それが守られなかったり、できなかったりしたときに激しく落ち込んでしまいます。

また、相手がそれをしてくれなかったときは、イライラしたり失望したりする傾向があります。

(例)「昨日は食べ過ぎたのに、今日運動をしないなんて自分が許せない」と罪悪感でいっぱいになる。

「学校の先生だったら、生徒のことはすべて解決しないといけないのに」とクレームを入れる。

 

このように・・・

認知の歪みとは、歪んだ捉えかたをすることで自分の気持ちが不安になったり、イライラしたり、ネガティブな気持ちになることを指します。

また、これらは程度の問題ですので「認知の歪みがない」人はいません。

認知の仕方には正解がないので、人それぞれ違う認知の仕方を「特性」と捉えて、その特性に苦しんでいる場合は矯正するのではなく、別の視点を与えて両方の認知ができるようにすることが大切です。

 

認知の歪みを正すには・・・

ストレスを感じる状況に陥ったときに,状況や自分の感情を整理して捉える

 

 

 

 

まとめ:認知行動療法とは・・・

辛くなったときに,頭に浮かんだ考えやイメージに注目して、バランスの良い考え方に変える

つまり辛くなったときに立ち止まり、そのときに頭に浮かんでいる自動思考を、現実に沿った柔軟なバランスの良い新しい考えに変えていくことで、その時々に感じるストレスを和らげる方法です。

 

 

 

 

 

 


 

医療法人社団結糸会 リワークセンターキズナ

 

 

 

 

 

 

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